1647 ムラサキシジミ

我が社は最近、外回りの営業を怠りがちでネタ無し。のところ、本日は得意の「見てきたような」+「針小棒大」作戦でペ−ジを作ってみました。


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1月は例年になく厳しい寒さ、2月になってやっと暖かい陽射しの日が訪れるようになりました。立春を過ぎた2月の日だまりで、ムラサキシジミ雄が羽を拡げていました。
梅の花が咲き始める頃の、冬の日だまりで一番よく見かけるのはヒメアカタテハですが、今年は未だ現れません。自然は毎年違うから面白いですね。

ムラサキシジミは小学生でも捕れる入門クラスのチョウ。アラカシを食べて大きくなりますが、我が家の両隣はアラカシの生け垣です。から、ムラサキシジミはよく見かけます。が、それでも数頭くらいづつ。エサがいっぱいあるからもっと居ても良さそうですが・・・卵から無事親まで育つのは100個に1個くらいと大変なんでしょうね。

小学生と言えば、小学校4年生の時、近所の高校生に感化されチョウ採りを始めました。今は生き物を捕ったら「自然破壊」と魔女狩りにあう時代ですが、当時は虫捕り青少年・大人は大手を振って、表通りを歩いていました。

高校に入る頃までは、右手に捕虫網、肩からカメラで野山を駆けめぐっていましたが、120種くらい集めた頃「これから先は大変=残りは高山や遠くまで遠征でもしないと増えないし、チョウ集めより野山走り回ってるのが好きということに気づき、すっぱり足を洗いました。が、今でも網を持たせたら負けません。

私はチョウでしたが、虫集めは広くて深い。何しろ、昆虫は100万種は居る大集団。「オサムシが好きです」「ゴミムシを見るとうっとりします」「カミキリは最高です」「ライバルが少ない蚤集めしてます」と細分化されています。

が、チョウ組で一番華やかに活躍しているのは、宝石のようにキラキラ輝いて、数も少ないミドリシジミ集め人達でした。日本には25種類いますが、これを産地別に集め全国制覇をしようという専業マニアが今もたくさんいる筈です。ミドリシジミの仲間はゼフィルスとも呼ばれていますが、・・・ゼフィルスって何や?

 


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イタリアのフィレンツェのウヒッチ美術館のにある ボッティチェッリの「ヴィ−ナスの誕生」です。第14展示室?に「春」と並んで飾られています。わたしは「東南アジアが似合う人」と言われていますが、イタリアに行って本物の「ヴィ−ナスの誕生」と「春」を見ました。

静かにしなさいと先生に怒られながら回っていた修学旅行のイタリアの中学生達も、「ヴィ−ナスの誕生」と「春」の前では静かに見入っていました。息をのむような美しさと迫力に呆然としました。ヨ−ロッパ文明の粋、絵の力は偉大です。

この絵の左上で頬を膨らませて息を吹きかけているのがギリシャ神話に出てくるゼフィルス、西風の神です。花が舞い、ヴィ−ナスの髪もたなびいていますね。

日本ではミドリシジミ類が羽化して現れるのは初夏の頃。ヨ−ロッパでは西風が吹く頃(きっと春〜初夏)なので 西風を吹かす神の名に因んでゼフィルスと呼ぶことにしたのでしょうか。

第1幕終わり 休憩

さて、大学を卒業してしばらくして、自分が居た研究室に行くと 「チョウ採りが暇になった時だけ勉強していま〜す」という超・チョウ・マニアのK君が居ました。K君も松山東校!松山人か。

アベさんもチョウ集めしてたんですか!久住へゼフィの卵集めに行きますから、連れていってあげましょう。で、ある時、お供をしました。K君くらいのプロになると、網でチョウを捕まえたりしません。飛んでる奴は羽が傷んでいます。卵から育て、傷一つない完全品を集めていました。K君の武器は縄、鉈、鋸です。

まずは山裾のハンノキの林で作業。葉芽に付いた、ミドリシジミの卵を集めました。ミドリシジミは初心者用のゼフィルスです。それからが本番でミズナラ林に移動。

K君は大きなミズナラにするすると登っていき、すぐ降りてきました。えっ!もう終わり?「ちゃいます。キリシマミドリとかアイノとかは、回りで一番高い木の、天辺の梢に卵を産み付けますから・・どのミズナラが一番高いかチェックしてたんです。あの30m先のが一番高いですね」。

K君はこれ以上登ると体重で幹が折れる上の方まで登り、縄で体を固定し、もう上れない上の幹を鋸と鉈で切り落とす作業開始。 「切れました〜落ちますよ〜」 ドドドドサッ〜。庭に植える木くらいもあるミズナラの大きな塊が地上に。

卵は枝先にありますから探して下さいね。卵2個ゲット、次の木に行ってみましょう。それから半日はギィ−コギィ−コ、ドサッ を繰り返し。「あの〜ここ国立公園と違う? 誰かに見られたらどうする?」 「ボクは全然気にしてませんけど。ボクなんか良心的です。木登りができない奴は木を根元から切り倒すんですよ。それで対馬のゼフィの産地の林は消滅したんですよ〜けしからん」 「(-_-)゜zzz・・・」 まず、食草となる植物が分かり、木登りも上手・・・マニアへの道は厳しいですね。

 

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見たなぁ〜 K君は先生達が帰った夜中になると引き出しを開け。引き出しには卵や幼虫を入れた容器が入っていました。 「乾くと孵化しないんですよね。こいつはあと三日でサナギになるな」と嬉しそうに霧吹き作業にエサを補給したり作業に精出していました。

「これあげましょう」同郷のよしみでチョウ詰め合わせセットを一箱もらいました。超貴重品のクモマツマキや阿蘇の○○シジミも入っていました。が、写真のほとんどはゼフィルスです。なお、K君は未だ木登りはしていると思いますが、今は大変偉い人になって活躍しています。

宝石のように蒼・緑に輝いてきれいだぁと思うのですが、ゼフィルス集めが趣味ですという女性がいるのは聞いたことありません。男と女は相当違いますね〜
というK君から貰った標本箱は本棚に飾って時々眺めている私のお宝です。

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