359 がんばれセイタカアワダチソウ

注意:セイタカアワダチソウを応援しなくてはと相当力が入っています。書いても疲れたので、読んでも疲れます。

万葉集で2番目に多い植物は梅。なるほど、万葉人は梅の花の落ち着いた雰囲気を愛したと思ってる人がいたら間違い。現代人が梅に抱くイメ−ジはあくまでの現代人のもの。梅は当時中国から入ってきた最新の植物。現代人が西洋のハイカラさに憧れて、イギリス風の庭をつくったりハ−ブが流行するのと同じ感覚で迎え入れられました。
植物も政治制度も文物も中国風こそ最新、ハイテク、梅はその象徴の一つでした。そして、あまりにも全てが中国風に傾くのを嘆いて、「大和心」という言葉が初めて登場しました。
菊も同じ。最初はモダンな花として愛でられたはずで、日本の象徴(日本文化の)ではありませんでした。「わび・さび」「散りぎわこそ美しい」とかの美学が栄えるのは後の時代です。


アジサイは日陰の花、裏の花と評価されていました。しかし、幕末に長崎にきたシ−ボルトは アジサイを見て感動。感動のついでにアジサイの学名に愛人のお滝さんの名前を入れて、さっそくオランダに持ち帰り、ヨ−ロッパに広がり、品種改良され、やがて、アメリカでも更に改良され、地球を1周して日本に帰ってきました。様々な花の色、大きな花のアジサイはこうして生まれました。そのアジサイを改めて見ると実に美しいと気づきました。そして、アジサイは家の陰で育てる花という視点も薄れて、アジサイは表に現れ、一気に主役になりました。 

ヒメジョンもマツヨイグサも、かつて花壇の花として日本に導入されました。しかし、今は雑草と呼ばれています。雑草と言われると植えようという人もいなくなります。優れた生物学者だった昭和天皇は雑草という言葉が嫌いでした。人間が人間中心の視点で自然にラベルを貼って、評価することを嫌っていたからでしょう。 

私たちは花(自然)を見るとき、自分の感性に従って鑑賞してると信じていますが、実際は、その花が美しいという文化で育つから、それが美しく見えるのです。日本人は桜、西洋人はバラ、中国人はボタン。民族によってもその文化は違っています。
このような文化的自然観自体は決して悪いものはありません。誇りです。しかし、その延長には正しい自然保護は存在しません。そして、私たちが自然をみる時には必ず、この文化的自然観の影響を受けている事を忘れてはなりません。

 

2分間休憩

 

北米原産のセイタカアワダチソウはベトナム戦争の頃から日本に急速に広がりました。そして、この植物ほど、マスコミによって生み出され誤解と悪意によって、悲劇の帰化植物はありません。その論点は

(1)セイタカアワダチソウは日本の植物を駆逐して自然を破壊する。

普通、ある生物がそこにある生物を完全に駆逐して消滅させる事はありません。生態学の初歩の常識です。それに、帰化植物は常に生態系が破壊されている道路端や、すでに元の自然が破壊されて、放棄された耕作地などに(どちらも一種の真空地帯)、一早く侵入し繁栄する傾向があります。人の活動が侵入と繁栄をもたらしているのであって、帰化植物が積極的に何かをするわけでもありません。大体、全てを駆逐するなら北米全土がセイタカアワダチソウに覆われているはずです。

(2)セイタカアワダチソウは花粉症の原因だ。
アメリカは花粉症の先進国です。アメリカでは秋に多い花粉症は最初は枯れ草熱( hay fever )と呼ばれていましたが、実はブタクサなどの花粉によるアレルギ−でした。セイタカアワダチソウが花粉症の原因としたのは間違いと確認されましたが、当時もそうでないことは確かめればすぐ分かったはずです。 

というわけで、最後はセイタカアワダチソウ撲滅作戦まで実施されました。
―――それから約30余年。セイタカアワダチソウは日本の植物を駆逐することもなく、しかし、撲滅される事もなく定着し、元気に花を咲かせています。しかし、一度定着した悪いイメ−ジを一層するのは至難の業です。
秋吉台で活動している団体がありますが、その一つの半公的団体が、この春セイタカアワダチソウ刈り取りをしていました。秋吉台にも様々な時代にやってきた帰化植物がたくさんあります。しかし、なぜセイタカアワダチソウだけをタ−ゲットにするのでしょうか?不思議。確かに、帰化植物が増えるのはそこにあった生態系を変えるので好ましい事ではありませんが、生き物が時間とともに拡がっていくのは自然の流れ、地球のル−ルです(日本にだけある種という方が珍しい)。何事も学ばない人達と悲しくなりました。

 

大和心は曲解され、武士道や軍国主義と結びついて抵抗がある言葉になっています。しかし、江戸時代に大和心について哲学した本居宣長は 
「大和心は素直にあるがままに受け入れる心、満開の桜の前に立って ああなんと美しいと そのままに受け入れる心が武士道」 
と述べています。セイタカアワダチソウに対する偏見を捨てて眺めてみましょう。しかし、それでも華やかな花より、可憐で可愛いものを良しとする伝統もあるので、小さなアキノキリンソウに軍配が挙がるかもしれません。しかし、大和心がいっぱいの小さな子供達はセイタカアワダチソウが好きと言うかもしれません。


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セイタカアワダチソウは別名セイタカアキノキリンソウ、アメリカの代表的な野草です。高い茎の先端に槍の穂先のように三角形型に、小さな花を密集させて咲きます。昆虫たちの密源のようで、様々な昆虫もやってきます。
アメリカでは Golden Rod 金のむち と呼ばれています。ケンタッキー州とネブラスカ州では州の花になっているそうです。

秋吉台の昔は畑だったドリ−ネにも咲いていました。
丸いドリ−ネに一面に咲いて、金の輪をつくっていました。

 

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お疲れさまでした。