JW_CAD DOSを外で使用するためにLibretto L1を入手しました。しかし、一式は揃っているものの、中身はフォーマット済みで、FDもCDもありません。どうやってセットアップしましょう?(結局、FDもCDも必要でしたが…)

1. Libretto L1の仕様

ものは「http://dynabook.com/pc/catalog/libretto/010507l1/spec.htm」のL1/060TNMMモデル。(2001年5月モデル)
サイズは268mm(幅)×167.2mm(奥行)×29.3mm(高さ)、重さは約1.1Kg(バッテリパック装着時)、バッテリは2時間弱持つようです。(バッテリはLibretto ffやU100のものが使えるのかな? 使えたらいいんだけど)
CPUはCrusoe TM5600 600MH。TM5600 700MHz = Pentium III 500MHzぐらいらしいから、Pentium III 400MHzぐらい?

2. ブートデバイスの確保

2.1. ブートデバイスの順番設定

FDもCDもなしでUSBディスクだけでWindowsをセットアップするには、USBディスクにWindowsのセットアップイメージをコピーした上で、USBディスクからする起動する必要があります。

調べてみると、最近のPCはUSBディスクからもブートできるようです。ブートデバイスの選択はBIOSの設定画面から行うのが一般的です。しかし、「DEL」キーを押しながら起動しても「設定をリセットします」としか出ません。

Webで検索すると「LibrettoにはBIOS設定画面はないが、起動時に矢印キーを押すことでブートデバイスを選択できる」との記述が→「矢印キーで選択は最近の機種。Libretto L1では起動時に「C」、「F」キーを押しておくことで選択する。ブートデバイスの順番設定は、Windowsのコントロールパネルの「東芝HWセットアップ」からしかできない」
 「N」でネットワークからの起動もできるようですが、LinuxでPXEのサーバーを作るのが面倒だったため断念。(未確認ですが、起動時のブートデバイス一覧でそれらしいアイコンがあるのでもしかしたら…)

起動時に押すキー ブートデバイス
C PCMCIA-CD
F USB-FD

2.2. USBメモリのシステムディスクの作成

Windows 98で起動して、fdiskで基本領域を作成して、「sys c:」でシステム転送。で、「USBメモリをつけて、「F」を押しながら起動」しましたが、ダメ。

2.3. USB-FDタイプのUSBメモリ

調べてみると、USBメモリはUSB-HDDですが、USB-FDやUSB-ZIP、USB-CDとしても見えるものがあるようです。が、現在、入手できるものはほとんどブートできないもので、あってもUSB-ZIPしか見つかりませんでした。

2.4. USB-FD

USBメモリでブートを確信できるものがなく、ためしに買うといっても数千円。今更FDというのもイヤだったのですが、2倍速で\5,000ぐらいで、Libretto L1での起動を保障したものがあったので買ってきました。

USB-FDX2BK

.5. PCMCIA接続のCD

Libretto L1のリカバリーCDをブートできるのはPCMCIA接続のCDです。しかし、現在は、USB接続のマルチドライブが普通で、PCMCIA接続のものは軒並み生産終了になっています。そこで知人から借用してきました。DOSでUSBメモリを認識させるのに成功すれば、CDでブートする必要もなくなるはずですが、念のため。

KXL-830AN

3. DOS起動ディスクの作成

3.1. Windows 98起動ディスクの作成

Windows 98のコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」からWindows98の起動ディスクを作成し、下記のファイルだけにします。
ank16.fnt、ank19.fnt、biling.sys、command.com、autoexec.bat、config.sys、emm386.exe、io.sys、jdisp.sys、jfont.sys、jkeyb.sys、jkeybrd.sys、kanji16.fnt、mscdex.exe、msdos.sys

3.2. PCMCIAとCDの認識

(1) CDドライバ
KXL-830ANのDOSドライバのreadme.txtを見るとDOSでPCMCIAを動かす方法が書かれています。CDのDOSドライバに含まれるATAPIマネージャの他に、PC本体に含まれるCardManagerのドライバが必要なようです。

SystemSoft CardManager i82365用CARDXTND.SYSなどのドライバが必要です。
Phonex CardManager PCMSS.EXEなどのドライバが必要です。

i82365チップが一般的なようなので「SystemSoft版カードマネージャー」や「Intel 82365 互換LSIでカードマネージャなし」の場合の方法をreadme.txtによって試しましたがダメでした。

(2) カードマネージャ
Librettoの方には、リカバリCD Disk3の「アプリケーション&ドライバCD-ROM Disk1」の「RECDISK\TOSUTILS」のdisk1.img、disk2.imgにDOSの起動ディスク作成ツールがあります。で、KXL-830ANに一番近い「SYSFILES\808AN.CFG」を見ると、「DRIVERS\CARDWORK.EXE」に「SystemSoft CardManager」のドライバが入っているようです。またconfig.sysは「SYSFILES\CONFIG.CM」のようになります。
ここで、「CTOR2ALL.SYS」が曲者でLibrettoのPCMCIAチップは「ToPIC100」というもので、このドライバを組み込むことで始めてi82365互換になります。

(3) EMSの確保
上記の結果をAutoexec.batとconfig.sysに反映してDOSを起動すると「EMSメモリが確保できません」とエラーが表示されます。

「Librettoを使いこなそう」のp.179のメモリマップを見るとVGA-BIOSがcc000hまでで、System BIOSがe0000hになっています。
Card Managerで「D000-D3FF」を使用するのでEMS分の連続したUMBが取れないのが原因のようです。

Csalloc.iniで「MEMINCLUDE=CC00-CFFF」としても、Config.sysで「EMM386 RAM I=C0000-CFFFF」としても、PCMCIAから属性情報の取得に失敗したり、ハングしたりでダメでした。

Card Managerをロードしないで「DEVICE=EMM386.EXE RAM」か、CardManagerをロードして「DEVICE=EMM386.EXE NOEMS X=D000-D3FF」か二者択一しかないようです。

3.3. USBの認識

USBドライバ「USBASPI.SYS」とUSB-HDD用のドライバ「DI1000DD.SYS」が必要です。両方ともNOVACの「はい〜るKIT」を購入するとついてくるようですが、このUSBASPI.SYS のバージョンは1.07でLibretto L1には使用できないようです。
しかし、Libretto L1に対応しているパナソニック「起動ディスク作成ツール <USBドライブ用>」(http://panasonic.co.jp/pcc/products/drive/other/f2h_usb.html)のUSBASPI.SYS はバージョンが2.20で使用することができました。

3.4. Autoexec.bat、Config.sys、Csalloc.ini

上記の結果、各ファイルは下記のようになりました。(Config.sysは使用目的によって、随時remを追加・削除します)
(1) AutoExec.bat

@ECHO OFF
set comspec=a:\command.com
rem LH MSCDEX.EXE /D:PCMCIACD /L:f

(2) Config.sys

BUFFERS=36
FILES=40
LASTDRIVE=Z
SWITCHES=/F

DEVICE=HIMEM.SYS /TESTMEM:OFF
DOS=HIGH,UMB
DEVICE=EMM386.EXE NOEMS X=D000-D3FF
rem DEVICE=EMM386.EXE RAM
DEVICE=BILING.SYS
DEVICEHigh=JFONT.SYS /MSG=OFF /U=0
DEVICEHigh=JDISP.SYS /HS=LC
DEVICEHigh=JKEYB.SYS /106 A:\JKEYBRD.SYS

REM Make Toshiba to i82365 compatible
rem DEVICEHIGH=CTOR2ALL.SYS

rem SystemSoft CardManager
rem DEVICEHIGH=CARDXTND.SYS
REM device=SSCBTO97.SYS /NUMADA:1 /ADA1SKTS:2
rem DEVICEHIGH=SSTPIC95.EXE
rem DEVICEHIGH=CS.SYS /POLL:1
rem DEVICEHIGH=CSALLOC.EXE a:\CSALLOC.INI
rem DEVICEHIGH=CARDID.SYS a:\CARDID.INI

rem KXL830AN
rem DEVICEHIGH=ATAS365.SYS /port=190 /I365RST /MEM=D000
rem DEVICEHIGH=ATASMGR.SYS /port=190
rem DEVICEHIGH=KMESATCD.SYS /D:PCMCIACD

rem USB
device=USBASPI.SYS
device=DI1000DD.SYS

(3) Csalloc.ini

MEM=D000-D3FF
IO=100-1EF,1F8-1FF,240-32F,338-36F,380-387,390-3EF
IRQ=9-A
RIO=170-177,2E8-2EF,2F8-2FF,370-377,3E8-3FF
MEMEXCLUDE=C000-CFFF,D400-DFFF,E000-EFFF
IOEXCLUDE=200-23F
IRQEXCLUDE=3-5,E-F
#
# *** Resource modifications should be made below this line. ***
#

4. WindowsMeのリカバリ

4.1. パーティション分割

マルチブートにしたいので、DOSで起動しPartitionMagicでパーティションを基本パーティション3つ(2GB, 1GB, 3.5GB)/拡張パーティション1つ(3GB)で分割します。(Libretto L1のリカバリCDは、パーティションのアクティブパーティション以外は保持できるようです)

4.2. リカバリ

(1) リカバリCDの1枚目をCDドライブに入れて、Cキーを押しながら起動します。
(2) 「出荷時状態に戻すか」で「いいえ」を選択します。すると余分なソフトはインストールされませんが、Libretto用のドライバもインストールされません。
(3) プロダクトIDは紙ではなく、本体の背面にシールが貼られています。
(4) リカバリCDの3枚目の「アプリケーション&ドライバCD-ROM Disk1」と4枚目の「アプリケーション&ドライバCD-ROM Disk2」から各ドライバをセットアップします。

4.3. EMSの確保

この状態では、EMSが確保できていませんでした。
「Config.sysに「EMM386.EXE RAM」を追加」→「再起動するとConfig.sysの中身がクリアされている」→「http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;275423を見ると、Windows MeではConfig.sysではなく、System.iniのEMMIncludeまたはEMMResevedPageでコントロールする」→ダメでした。

5. Windows98SEのインストール

5.1. Windows 98SEのインストール

(1) DOSで起動
(2) Windows 98SEのCDの中身をLibrettoの拡張パーティションにコピー。(セットアップの途中でCDが読めなくなることがあるため、一度全部のファイルをハードディスクにコピーする必要があります)
(3) 拡張パーティション中のSETUP.EXEを起動します。
(4) 途中のPCカードウィザードで「リアルモードPCカードドライバを選びますか?」と聞いてきますが「いいえ」を選択します。

5.2. ドライバのインストール

リカバリCDの3枚目の「アプリケーション&ドライバCD-ROM Disk1」から各ドライバをインストールします。
(1) ビデオカードドライバ(\Video)をインストール。
(2) モニタドライバ(\Monitor)をインストール。(Toshibaの「Toshiba Internal 1024x600 Panel」を選択)
(3) TOSHIBA COMMON MODULES(\TCOMMON)をインストール。
(4) Toshiba Utilities(Fn-esse/HWSetup)( \Tosuty)をインストール。
(5) TOSHIBA POWER SAVER(TPower)をインストール。
(6) サウンドドライバ(\Audio)をインストール
(7) モデムドライバ(\Modem)をインストール
(8) USB Idleの設定を変更(\USB_Idle)
(9) IDE Optimize Program(\IdeOpt)をインストール

5.3. PCMCIA

この状態ではPCMCIAは「Generic CardBus Controller」として認識されていますが、PCMCIAデバイスを挿してもリソースに確保に失敗して、「System Board extention for ACPI BIOS」とリソースのコンフリクトを起こします。
 Libretto L1のPCMCIAコントローラはToPIC100であり、CardBusコントローラと完全互換ではないので「PCMCIA ToPIC100用 infファイル」(http://dynabook.com/assistpc/download/ata/index_j.htm)をインストールする必要があります。これにより、PCMCIAコントローラは「Toshiba ToPIC100 CardBus Controller」として認識されるようになります。

5.4. EMSの確保

カードマネージャが32ビットで動作するようになったので、DOSと違ってWindows 98SEではEMSが確保できるようになりました。これで、JW_CAD DOSが動くようになります。

6. リンク

Libretto Lシリーズ周辺機動作確認表
http://forum.nifty.com/ftoshiba/data/index.htm